斜里町や羅臼町、標津町の山間部はヒグマの生息地です。近年は、防風林や河畔林を伝って山間部からヒグマが移動してくるケースも目立ちます。山林に接する地域では、ヒグマの生息地に隣接していることを認識し、ヒグマの存在を意識した行動や振る舞いが求められます。
あつれきを防ぐために一番大切なのは、ヒグマを人為的な食べ物に餌付かせないことです。食べ物が得られることを覚えたヒグマは、何度も同じ場所に出てくるようになり、次第に行動をエスカレートさせます。過去には、ヒグマがシャッターを破って倉庫内に侵入したり、窓ガラスを破って人家に侵入するような事件も発生しています。
あつれきを防ぎ、ヒグマと共存するためにやるべき大事なことはただひとつ、「ヒグマを誘引する可能性のあるものを野外に放置しないこと」です。ごみは収集時間の直前に収集場所に出すようにしてください。干し魚はヒグマの手の届かない高い場所に干したり、夜間は屋内にしまったりしてください。ドックフードや魚の餌は、丈夫な建物の中で保管してください。樹上で結実する果実は、収穫期を迎えたら残らず収穫してください。
どうしても誘引物を野外に放置せざるを得ない状況であれば、ヒグマが手を出せないよう、周囲に電気柵を設置することをお勧めします。
ヒグマが潜みにくいよう、建物や農地の周辺の除草を行うことでヒグマが出没しにくい環境を作ることができます。また斜里町ウトロ地区では、ヒグマにごみが荒らされないよう、特別な構造を持つクマ対策ゴミステーションが一部で整備されています。
ヒグマの農作物被害が発生するエリアでは、農地に電気柵を設置することをお勧めしています。
また、廃農作物や畜産廃棄物を放置することはやめましょう。このような行為はヒグマを誘引します。