知床のひぐま

知床で暮らす方へ

知床はヒグマの生息地

 斜里町や羅臼町、標津町の山間部はヒグマの生息地です。近年は、防風林や河畔林を伝って山間部からヒグマが移動してくるケースも目立ちます。山林に接する地域では、ヒグマの生息地に隣接していることを認識し、ヒグマの存在を意識した行動や振る舞いが求められます。

ヒグマの生息地ヒグマの生息地に隣接する住宅地や農地

餌付くと何度も同じ場所に出てくる

 あつれきを防ぐために一番大切なのは、ヒグマを人為的な食べ物に餌付かせないことです。食べ物が得られることを覚えたヒグマは、何度も同じ場所に出てくるようになり、次第に行動をエスカレートさせます。過去には、ヒグマがシャッターを破って倉庫内に侵入したり、窓ガラスを破って人家に侵入するような事件も発生しています。

生ごみを食べるためヒグマが破壊したゴミ箱生ごみを食べるためヒグマが破壊したゴミ箱ヒグマに破られたシャッターヒグマに破られたシャッター

人為的なヒグマの食べ物

  • 生ごみ
  • 一般ごみ
  • 鮮魚(釣り人が釣りあげた魚も含む)
  • 干し魚
  • 水産加工場から出る残滓(魚の頭や内臓)
  • ドックフードや魚の餌
  • コンポストに入れられた野菜くずや肉の切れ端
  • 樹上で結実している果実(サクランボ・ナシ・リンゴ・ブルーベリーなど)
  • 農作物
  • 廃棄された農作物
  • 畜産廃棄物
乾燥中の干し魚(シロザケ)乾燥中の干し魚(シロザケ)

ヒグマのためにできること

 あつれきを防ぎ、ヒグマと共存するためにやるべき大事なことはただひとつ、「ヒグマを誘引する可能性のあるものを野外に放置しないこと」です。ごみは収集時間の直前に収集場所に出すようにしてください。干し魚はヒグマの手の届かない高い場所に干したり、夜間は屋内にしまったりしてください。ドックフードや魚の餌は、丈夫な建物の中で保管してください。樹上で結実する果実は、収穫期を迎えたら残らず収穫してください。

どうしても誘引物を野外に放置せざるを得ない状況であれば、ヒグマが手を出せないよう、周囲に電気柵を設置することをお勧めします。
 ヒグマが潜みにくいよう、建物や農地の周辺の除草を行うことでヒグマが出没しにくい環境を作ることができます。また斜里町ウトロ地区では、ヒグマにごみが荒らされないよう、特別な構造を持つクマ対策ゴミステーションが一部で整備されています。

生ゴミを漁るヒグマ生ゴミを漁るヒグマ

ヒグマに荒らされないよう、特別な構造を持つクマ対策ゴミステーションヒグマに荒らされないよう、特別な構造を持つクマ対策ゴミステーション

農家の方へ

 ヒグマの農作物被害が発生するエリアでは、農地に電気柵を設置することをお勧めしています。

 また、廃農作物や畜産廃棄物を放置することはやめましょう。このような行為はヒグマを誘引します。

ヒグマによる食害を防ぐため農地に設置された電気柵ヒグマによる食害を防ぐため農地に設置された電気柵

こうした屋外に投棄されたゴミはヒグマを誘引しますこうした屋外に投棄されたゴミはヒグマを誘引します

ヒグマと共存するための注意点(まとめ)